■上司のことが気になってしまう部下
みなさんこんにちは。学舎の馬場です。今日は、「上司のことが気になって仕方がない部下」について取り上げたいと思います。
みなさんの周りに、「上司が今何をやっているのか?」気になって仕方がない部下はいますか?上司の仕事のことが気になる、上司の予定やスケジュールが気になる部下は、どういう状態になっているのでしょうか?
私の事例をご紹介したいと思います。私が飲食店を経営していた30代の頃、数店舗の管理を任せていたマネージャーがいました。彼は常に私の行動やスケジュールに意識が向いている状態でした。彼は海鮮系の居酒屋のブランドの立ち上げで現場に入りながら複数店舗の管理をしていました。
「次は、いつお店に来ますか?」
「うちのスタッフのことも見てあげてください。」
というような発言が目立っていました。
私は店舗のオープンに向けて市場調査や物件の確認などを行っていて、時によっては月1回の進捗確認会議以外、店舗に行っていないこともありました。
そのマネージャーは、私がしばらく店舗に顔を出していないと彼の部下に対して、
「社長は現場に来ない・・・」
「現場のことを見ていない・・・」
などと言っていることが私の耳にも入ってきていました。
彼のように、上司のことが気になっている部下は、どういう原因からそうなっているのでしょうか?
■原因は上司にある
上司のことが気になっている部下、その原因は、ずばり「上司本人」にあります。
なぜ、上司に原因があるのか?
上司のマネジメントができていないことが原因だからです。では、マネジメントのどの部分に原因があるのでしょうか?
それは、部下の「役割設定」に原因があります。
部下が自分自身に課せられている役割・責任があいまいな状態だったらどうでしょうか?私の例でいうと、マネージャーには海鮮系の居酒屋の立ち上げを任せていましたが、
〇ブランド作成のゴール設定が明確ではなかった
→「いつまで」に、「どういう状態を作る」が設定されていなかった
〇モデル店舗のゴール設定が明確ではなかった
→「いつまで」に、「いくらの売上・利益額を出す」が設定されていなかった
上記について、役割設定ができていなかったのです。
店舗の月の目標は彼が中心に設定していましたが、あくまでも「自分で設定した目標」であり、「上司が設定した目標」とはなっていませんでした。
マネージャーは、上司から課せられている役割が曖昧な状態でした。その状態で、上司が関与しない(=現場に来ない)ので、不満を抱き、周囲にその不満を伝えていたのです。
■役割・責任がはまっている状態とは?
部下が、自分自身に課せられている役割(責任)を明確に認識できていれば、その役割(責任)に対して集中することができます。
自分に求められていることができていれば「達成」ですし、できていなければ「未達成」です。「未達成」であれば、達成に向けて自分でやるべきことをやるだけです。
この状態を「役割・責任がはまっている状態」と呼んでいます。
役割・責任がはまっている状態では、極論、上司は関係ありません。やるべきことをやる「自分との勝負」になるからです。
したがって、上司が部下に対してまず行うことは、部下の役割を明確に設定することです。
■役割・責任がはまっていれば、マネジメントが機能する
部下が自身の役割を明確に認識できていれば、上司-部下でマネジメントが機能します。
目標に対して、現状に不足があれば、その対策を立てて行動を起こしていく。部下は自分の役割を果たすために集中することができます。
自分の役割を果たすことに集中している部下は、上司のスケジュールや、現場に来る・来ないなど関係なくなるのです。言い換えると、自分の仕事を「上司のせい」にすることが無くなるのです。
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